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更新日:2026年8月17日

もう迷わない!会社の防災備蓄リスト~1人あたりの目安をやさしく解説~

赤い救急バッグと飲料水、非常食、ラジオなどの防災グッズ
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防災のためにそろえておかなきゃ、と思いつつ、何を・どれだけ用意すればいいのかわからない……そんなふうに感じている総務・防災担当の方は、きっと少なくないはずです。この記事では、会社にそろえておきたい防災備蓄を、1人あたりの必要量と日数の目安とともに、カテゴリ別のわかりやすいリストにまとめてご紹介しましょう。水や非常食、簡易トイレといった必須アイテムの量の決め方から、保管場所や入れ替えのちょっとしたコツまでお伝えしますので、自社の備えを見直すときの参考にしてみてください。


会社に防災備蓄が必要なのはなぜ?

そもそも、なぜ会社で防災備蓄をそろえておく必要があるのでしょうか。理由は大きく分けて2つあります。1つめは、従業員の安全を守るためです。労働契約法第5条では、企業は従業員の生命や身体の安全を確保するよう配慮する「安全配慮義務」を負うとされています。防災備蓄そのものを直接義務づける法律があるわけではありませんが、災害が起きたときに従業員が社内で安全に過ごせるよう備えておくことは、この配慮義務の一環として求められる、大切な取り組みといえるでしょう。

2つめは、帰宅困難者への対応です。大きな地震などが起きると、交通機関が止まり、従業員が帰宅できずに社内へとどまらざるを得ない状況が生まれます。こうしたとき、あわてて移動を始めると、かえって混乱や二次災害を招いてしまうこともあります。「まずは社内で安全に待機できる備え」を整えておくことが、結果的に従業員を守ることにつながるのです。そのためには、一定量の水・食料・物資をあらかじめ用意しておくことが欠かせません。

<参照>
e-GOV 法令検索「労働契約法

<参考>
会社の防災どこまでやれば大丈夫?安全配慮義務の範囲をわかりやすく解説


防災備蓄は「1人あたり何日分」が目安?

缶詰や水、懐中電灯、医薬品などの防災用品一式

まず結論からお伝えすると、会社の防災備蓄は最低3日分(72時間分)を目安にそろえておくのが基本です。ここでは、その理由と必要量の考え方を、順を追ってご紹介しましょう。

水・食料の必要量の目安

備蓄量を決めるときに、まず押さえておきたいのが水と食料の1人あたりの必要量です。

水は、1人1日あたり約3リットルが目安とされています(飲み水と調理用を合わせた量です)。最低3日分とすると、1人あたり9リットルが必要量の目安になります。食料についても、1人1日3食として最低3日分、つまり1人あたり9食分が基準です。

なお、内閣府や農林水産省では、家庭での備蓄について「最低3日分、できれば1週間分」を推奨しています。会社の場合も、立地やスペースに余裕があれば、3日分を基本としつつ、できる範囲で少し多めに確保しておくとより安心でしょう。ちょうど3日分ぴったりよりも、ほんの少しゆとりを持たせておくくらいがちょうどよいかもしれません。

<参照>
政府広報オンライン「災害に備えた家庭備蓄のポイント
農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド

なぜ「3日分」なのか

3日分(72時間)という目安には、きちんとした理由があります。災害が起きてから、救助や行政による支援が本格的に動き出すまでには、どうしても時間がかかります。その間を自分たちの力で乗り切るための備えとして、3日分が一つの基準になっているのです。

また、自治体によっては、企業に備蓄を求める条例を設けている場合もあります。たとえば東京都の帰宅困難者対策条例では、従業員が施設内にとどまれるよう、3日分の水・食料などを備蓄することを努力義務としています。目安としては、従業員1人あたり水9リットル・食料9食分・毛布1枚程度が示されています。

ここで一つ気をつけておきたいのは、この3日分は東京都などの条例や国のガイドラインに基づく目安であって、全国どこでも一律に課された法的な義務ではない、という点です。とはいえ、努力義務であっても、従業員の安全を守るうえで大切な基準であることに変わりはありません。自社のある自治体が独自のルールを設けていないか、一度確認しておくとよいでしょう。

<参照>
東京都「東京都帰宅困難者対策ハンドブック


会社でそろえたい防災備蓄リスト

箱からペットボトル飲料水のセットを取り出す様子

ここからは、会社にそろえておきたい防災備蓄を、カテゴリ別のリストでご紹介しましょう。「人数 × 日数」で必要量を計算しながら、自社に足りないものがないか、チェックしてみてください。

水・非常食

何よりも優先してそろえたいのが、水と非常食です。先ほどお伝えしたとおり、1人あたり水9リットル・食料9食分(3日分)が基本の目安になります。水は、長く保存できる保存水を選ぶのがおすすめです。一般的なミネラルウォーターの賞味期限が2〜3年なのに対して、保存水は5年以上保存できるものが多く、入れ替えの手間をぐっと減らせます。500ミリリットルと2リットルのものを組み合わせておくと、配りやすさとコストのバランスがとれて便利でしょう。

保存水を探す

非常食は、加熱や調理がいらないアルファ米・レトルト食品・缶詰・乾パンなどを組み合わせておくと、ライフラインが止まってもすぐに食べられて安心です。同じものばかりだと飽きてしまいますので、主食に加えてたんぱく質のとれる缶詰や、野菜ジュースなども取り入れると、栄養の偏りを防げるでしょう。また、従業員にアレルギーを持つ方がいる場合は、アレルギー対応食品の備蓄も忘れずに検討しておきたいところです。

非常食/保存食を探す

<参考>
食料備蓄、防災のために何が必要?ストックにおすすめの食品をご紹介

簡易トイレ・衛生用品

つい見落とされがちですが、実はとても優先度が高いのが簡易トイレです。災害時は断水や停電でトイレが使えなくなることが多く、水や食料と同じくらい欠かせません。トイレを我慢して水分を控えてしまうと、体調を崩す原因にもなりかねませんので、しっかり備えておきたいアイテムです。

簡易トイレ/非常用トイレを探す

簡易トイレは、1人1日あたり5回ほどの使用を想定し、3日分(1人あたり15回分前後)を目安にそろえておくと安心でしょう。あわせて、ウェットティッシュや手指消毒用のアルコール、ゴミ袋といった衛生用品も用意しておくと、断水時でも清潔を保ちやすくなります。また同時に生理用品やおむつなども必要に応じて備えておくことをおすすめします。

<参考>
簡易トイレの作り方は?断水への備えのポイントも解説

電源・情報

停電に備えて、電源と情報収集の手段も用意しておきましょう。スマートフォンの充電を確保するモバイルバッテリーは、できれば人数分に近い数をそろえておくと安心です。連絡手段が限られる災害時に、スマートフォンが使えなくなるのは大きな不安につながります。社内のパソコンや通信機器を一定時間動かしたい場合は、容量の大きいポータブル電源も心強い選択肢になるでしょう。ポータブル電源は「何を、どれくらいの時間動かしたいか」から逆算して容量を選ぶのがポイントです。そして情報収集には、停電時でも使える防災ラジオが役立ちます。手回しやソーラーで充電できるタイプなら、電池切れの心配も減らせて安心でしょう。

<参考>
ポータブル電源は買うべきか?備えておくメリットと選び方
防災ラジオはいらない?必要性・選び方でのポイントなどを解説

救護・防寒・避難

最後に、けがの手当てや避難に必要なアイテムをそろえておきましょう。救急箱(絆創膏・包帯・消毒液・常備薬など)は、社内の人数に合わせて中身を補充しておくと安心です。気温が下がる季節や夜間に備えて、毛布やアルミ製の保温シートも人数分そろえておきたいところです。落下物から頭を守るヘルメットや防災ずきん、足元を守る軍手・スリッパなども、いざというときに役立ちます。

そして、忘れてはいけないのが、被害そのものを減らす工夫です。キャビネットや什器の転倒防止グッズ(固定金具・耐震ジェルマットなど)を平時から取り付けておくだけで、けがのリスクをぐっと下げられます。備蓄品をそろえる前に、まずは「ものが倒れてこない・落ちてこない」環境を整えておくことから始めるのがおすすめです。


そろえたあとが肝心|保管とローリングストックのコツ

薬品棚の在庫を確認する白衣姿の女性

防災備蓄は、そろえて終わり、ではありません。いざというときに、ちゃんと使える状態を保っておくことが、実はとても大切です。まず保管場所は、災害時にすぐ取り出せる安全な場所を選びましょう。転倒や浸水の恐れがない場所に置くのはもちろん、複数階のオフィスであれば、各フロアに分散して保管しておくのがおすすめです。1か所にまとめてしまうと、そのフロアに行けなくなったときに何も取り出せなくなってしまうためです。あわせて、保管場所と中身を従業員みんなに知らせておき、担当者がいなくても誰もが取り出せる状態にしておくと安心でしょう。

そして、食料や水のように期限のある備蓄品は、ローリングストックで管理するのがおすすめです。ローリングストックとは、備蓄品を日常的に少しずつ消費して減った分を買い足していくことで、常に一定量を新しい状態に保つ方法のこと。賞味期限切れによる廃棄を減らせるうえに、買い替えのタイミングが分散されるので、コスト面でもうれしいメリットがあります。備えているのに、気づいたら期限が切れていたという、ありがちな失敗を防げる賢いやり方といえるでしょう。ローリングストックの具体的な進め方や、向いているもの・向いていないものについては、こちらでくわしくご紹介しています。

<参考>
食べて、使って、また買い足す。無理なく続く職場のローリングストック入門


自社の規模・立地に合わせて「どこまで」を考える

防災備蓄の量は、どの会社でも同じ、というわけではありません。自社の状況に合わせて、過不足のないように調整していくことが大切です。備蓄量を決めるときの主な目安になるのが、従業員数・立地・業種の3つです。まず人数については、正社員だけでなく、アルバイトやパート、派遣社員、さらに来客や取引先の分まで想定しておくと安心でしょう。災害は、誰が社内にいるときに起こるかわかりません。少し多めに見積もっておくくらいが、ちょうどよいといえます。

立地についても考えておきたいポイントです。自社が、帰宅困難者の発生しやすい都市部にあるのかどうかで、必要な備蓄日数の考え方は変わってきます。業種によっても備えるべきものは異なり、たとえば来客の多い店舗や、避難に支援が必要な方がいる施設などでは、それぞれの状況に応じたきめ細かな備えが求められます。とはいえ、特に中小・零細企業では、限られた予算やスペースのなかで「どこまでやればいいのか」と悩むことも多いのではないでしょうか。そんなときは、あれもこれもと一度にそろえようとせず、まずは水・食料・簡易トイレといった、生命を守ることに直結するものから優先してそろえていくのがおすすめです。そこから少しずつ拡充していけば、無理なく備えを整えていけるでしょう。完璧を目指して身構えるより、できるところから一歩ずつが、長続きのコツです。

<参考>
場所が変われば備えも変わる!業種別・防災に必要なものリスト
会社の防災対策、規模でどう変わる?中小・零細・個人経営の始め方


よくある質問(FAQ)

FAQと書かれた木製ブロックとクエスチョンマーク

Q1.会社の防災備蓄は、何日分そろえればよいですか?

A.最低3日分(72時間分)が基本の目安です。災害が起きてから、救助や行政の支援が本格化するまでの時間を、自分たちの力で乗り切るための基準とされています。立地やスペースに余裕があれば、3日分を基本としつつ、少し多めに確保しておくとより安心でしょう。

Q2.防災備蓄は、法律で義務づけられているのですか?

A.国の法律で、すべての企業に一律の備蓄義務が課されているわけではありません。ただし、労働契約法上の安全配慮義務の観点から備えが求められるほか、東京都の帰宅困難者対策条例のように、自治体によっては3日分の備蓄を努力義務として定めている場合があります。まずは自社のある地域のルールを確認しておくとよいでしょう。

<参照>
e-GOV 法令検索「労働契約法

Q3.アルバイトや来客の分まで、備蓄が必要ですか?

A.はい、想定しておくのがおすすめです。災害は、誰が社内にいるときに起こるかわかりません。正社員だけでなく、アルバイト・パート・派遣社員、さらに来客や取引先、周辺の帰宅困難者の分まで含めて考えておくと、いざというときに互いに助け合う「共助」の観点からも安心です。


まとめ

会社の防災備蓄は、従業員の安全を守り、帰宅困難者に対応するために欠かせない、大切な備えです。基本は最低3日分(72時間分)。1人あたり水9リットル・食料9食分が目安になります。まずは水・非常食・簡易トイレといった、生命を守ることに直結するものを優先してそろえ、電源・情報・救護・防寒用品まで、少しずつ拡充していきましょう。そして、そろえたあとは保管場所をみんなで共有し、ローリングストックで管理することで「いざというときに使える状態」を保っておくことが大切です。この記事のリストを参考に、できるところから自社の備えを見直してみてください。個別にそろえるのは大変という場合は、必要なものがまとまった防災備蓄セットを上手に活用するのも、賢い方法の一つです。

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