更新日:2026年3月12日
食品表示基準とは?記載すべき主な項目と注意点

食品を製造・販売する事業者にとって、正確な食品表示は信頼を守るための基本です。特に「食品表示基準」は、消費者が安心して食品を選ぶために設けられた大切なルールです。
本記事では、食品表示基準の概要から、対象となる食品・事業者、表示項目、実務上の注意点まで解説します。これから商品開発や販売を始める方、食品表示の見直しを行いたい方に向けて役立つ内容をまとめました。
食品表示基準とは

食品表示基準とは、2015年4月1日に施行された「食品表示法」に基づいて定められた、食品の表示に関する具体的なルールです。
食品表示基準についての知識が不足していると、思わぬ違反を犯すおそれがあります。場合によっては、罰則が課されたり信頼が失われたりする場合もあるでしょう。
ここでは、食品表示基準と食品表示法の違いを解説します。
食品表示法と食品表示基準の関係
食品表示法は、これまで別々に定められていた「食品衛生法」「JAS法」「健康増進法」における、表示ルールに関する内容を一元化した法律です。一方、食品表示基準は、食品表示法に基づいて作られた、表示方法の細かなルールを定めたものです。
つまり、食品表示法はルールの大枠を定め、食品表示基準が記載方法の詳細などを示しています。正しい食品表示を行うには、食品表示法と食品表示基準の両方を理解しておく必要があるでしょう。
食品表示の目的
食品表示法や食品表示基準を理解するには、食品表示の目的を把握することも重要です。食品表示の主な目的は、以下の通りです。
- 消費者が商品を正しく選択できるようにする
- 事業者間の公正な取引を促す
- 誤表示や虚偽表示を防止する
食品表示には、食品に関するさまざまな情報が記されています。消費者が安心して食品を選ぶために、食品表示は重要な情報源といえるでしょう。
表示の対象となる食品
食品表示の対象となる食品は、一般消費者向けに販売される食品で、加工食品、生鮮食品、添加物に分類され、それぞれの表示ルールが定められています。多くの場合、容器包装された食品には食品表示基準に基づく表示が義務付けられています。
一方で生産場所での対面販売や量り売りは表示義務が免除されるケースもあります。その場合でも消費者が原材料や内容について確認できるよう、提示や説明による情報提供をできるようにしておきましょう。
食品表示法の対象となる事業者
食品表示法は、食品を製造・加工・輸入・販売する全ての事業者が対象です。事業者の一例には、以下があります。
- 食品メーカー
- 食品加工業者
- 輸入食品を取り扱う事業者
- 小売店
- 卸売業者
- ECサイト運営者
食品表示の対象であるかどうかに、事業規模の大小は関係ありません。一般消費者に向けて食品を販売する場合は、原則として食品表示法および食品表示基準の遵守が求められます。
<参照>
東京都保健医療局「食品表示法の概要」
食品表示で記載すべき主な項目とは

食品表示基準で定められている表示項目には、全ての食品に共通して記載すべき基本要素と、食品の種類によって決められているものがあります。それぞれの表示項目を詳しく確認し、不備のない食品表示の作成を目指しましょう。
なお、表示項目は非常に細かく規定されています。詳細に関しては、行政機関の掲載内容を確認しましょう。
<参照>
消費者庁「早わかり食品表示ガイド」
全ての食品に共通する項目
全ての食品に共通する表示項目には、以下があります。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 名称 | 一般的な名称を記載 |
| 原材料名 | 使用した重量の割合が多いものから記載 |
| 内容量 | 単位も記載 |
| 消費期限または賞味期限 | 品質の劣化が早いものは消費期限、それ以外には賞味期限を記載 |
| 保存方法 | 冷凍や冷蔵の場合は具体的な保存温度も記載 |
| 表示責任者等の氏名 | 製造者・輸入者・販売者などの氏名を記載。会社名でもよい |
| 住所 | 表示責任者等の住所を記載 |
名称には、商品の内容が一目で分かる一般的な名称を記載します。商品名は原則として認められません。
原材料名には、アレルゲンや遺伝子組み換え情報も表示しましょう。保存方法は、「10度以下で保存」など、具体的に記載することが重要です。
加工食品に求められる項目
加工食品に求められる表示項目には、以下があります。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| アレルギー表示 | 個別表示か一括表示のいずれかで記載 |
| 栄養成分表示 | 以下の3項目を記載する
|
| 原料原産地名 | 原材料に占める重量割合が最も多い対象原材料の原産地を表示。「牛肉(国産)」など |
| 添加物 | 使用した重量の割合の高いものから順に表示 |
上記の項目のうち、特に栄養成分表示は義務化されています。表示漏れがないよう、十分に確認して作成しましょう。
生鮮食品・添加物の表示内容
生鮮食品および添加物は、それぞれ以下の表示が必要です。
- 生鮮食品:品名・原産地
- 添加物:品名・内容量・使用上の注意
生鮮食品の原産地には、国産品の場合は都道府県名、輸入品には原産国名を表示します。原産地の表示方法には細かな運用ルールが定められており、特定の地名を使用する場合には、その表示が適切かどうかを個別に確認する必要があります。
添加物は、原材料と明確にわけて表示します。原材料とは別に添加物の項目を作成するか、原材料の項目に「/」や改行を差し込むことで、区別しましょう。
なお、食品表示に関する具体的な記載方法や例外規定、運用ルールについては、法改正や通知によって変更される場合があります。実務で表示内容を確定する際は、消費者庁などの行政機関が公開している公式資料やガイドラインにより、最新の規定を必ず確認しましょう。
食品表示を作成する際の実務ポイント

ここでは、食品表示を作成する際に押さえておくべき実務ポイントを解説します。
食品表示は、正しい情報を記載することが何よりも大切です。正しい情報を表示するためにも、製造や販売現場の情報と連携しながら作成を進めましょう。
原材料と製造工程の確認
食品表示を作成する際は、原材料と製造工程を必ず確認します。原材料の種類やそれぞれの使用量、仕入れ先、加工工程に変更があった場合、古い情報を使用すると、誤表示につながるおそれがあります。
表示を作成する際は、原材料や製造工程の最新情報を製造現場に確認し、記載することが重要です。
アレルギー情報の管理
アレルギー情報は、食品表示の中でも特に気を配る項目の一つです。
アレルギー表示が間違っていると、消費者に重篤な健康被害が生じるおそれがあります。アレルゲンの表示漏れはもちろん、使用していない成分を誤って記載することがないようにしましょう。
表示内容が正しくても、製造工程でアレルゲンが誤って混入した場合には、重大な問題が生じる可能性があります。アレルギー表示では、徹底した製造管理と正確な表示を両立させることが重要です。
販売形態別の対応
販売形態によって、食品表示の方法が変わる可能性がある点も、作成時に押さえておくべきポイントです。
対面販売に加え、ネット販売や委託販売などを利用した場合、表示の仕方が変わるケースがあります。一例を挙げると、ネットショップでの食品の販売について、消費者庁はサイト上への食品表示情報の掲載を推奨しています。
食品を製造・販売する事業者は、販売形態が違っても、消費者が商品情報を容易に確認できるように対応することが重要です。
誤表示を防ぐための注意点を理解しよう

食品表示では、わずかな記載ミスが大きなトラブルに発展することもあります。ここでは、よくある誤表示の一例と、表示表現の注意点を解説します。
よくある誤表示の例とは
食品表示でよくある誤表示の例は、以下の通りです。
- 原材料の順序間違い
- アレルギー表示漏れ
- 賞味期限の印字ミス
- 輸入品の翻訳ミス
アレルギーの表示漏れや賞味期限の印字ミスなど、誤表示によっては、重大な健康被害を招くおそれがあります。リスクを抑えるためにも、誤表示がないよう複数人での確認を徹底しましょう。
表示表現の注意点
食品表示を作成する際は、表現方法にも気を配る必要があります。
「無添加」「国産」「不使用」などの表現は、見る人によっては誤解を招く可能性があります。2022年3月に消費者庁が公表した「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」によって、消費者に誤解を与えかねない表現については、適切な表示が求められるようになりました。これにより、「無添加」などの表示についても、事実と異なる印象を与える表現は是正の対象となっています。
「無添加」「保存料不使用」などの表示をする際はガイドラインの内容をよく確認しましょう。
<参照>
消費者庁「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」
定期的な見直しが重要
食品表示は、一度作成したら終わりではありません。原材料や製造先、製造過程などに変更があったときには、新しく作り直しましょう。
特に、アレルギーや原産地表示を最新の状態にしておくことは、健康被害が生じるリスクを抑える上で非常に大切です。
よくある質問(FAQ)

最後に、食品表示に関してよくある質問を4つ紹介します。食品表示は、規定に則り不備なく作成する必要があります。食品表示の作成を検討している方は、FAQの内容をぜひ参考にしましょう。
食品表示法と食品表示基準はどう違うのですか
食品表示法は、食品表示全体に関するルールを定めた法律です。一方、食品表示基準はその法律に基づく具体的な表示内容の取り決めをまとめたものです。
栄養成分表示は全ての食品に必要ですか
原則として、全ての加工食品に義務付けられています。ただし、製造した小規模事業者などが直接消費者に販売する場合などは、表示は必要ありません。事業者によっては、表示義務の対象外でも自主的に記載するケースもあります。
輸入食品を販売する場合、どのように表示すればよいですか
輸入食品を販売する際は、輸入者が日本の食品表示基準に沿った表示ラベルを作成し、日本語で表示する必要があります。一般的な表示項目に加え、原産国や輸入者名、輸入者の住所を記載しましょう。
アレルギー表示を間違えた場合はどうなりますか
アレルギー表示が間違っている場合、アナフィラキシーショックなどの重篤な健康被害を招くおそれがあります。被害を防ぐため、誤表示があった食品の販売を速やかに中止し、回収を行います。
必要に応じて、表示ミスにより商品を回収したことを、行政へ報告しましょう。再発を防止するには、社内のチェック体制を整えることも重要です。
まとめ
食品表示基準は、食品表示法に基づき、食品表示に関する具体的な規定をまとめたものです。
食品表示は原則として、全ての加工食品に義務付けられていますが、一部例外もあります。また、食品によって必要な記載項目が異なるため、作成時には消費者庁などの行政機関が公開している、公式資料やガイドラインを確認することが大切です。
食品表示に誤表示があると、重大な健康被害が生じるおそれがあります。作成にあたっては、社内のチェック体制を整え、不備のない表示を心がけましょう。
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