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更新日:2026年3月12日

ユニバーサルデザインフード(UDF)の選び方!失敗しない活用術とは

ユニバーサルデザインフード
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介護や在宅での食事支援では、利用者に合わせた食形態の選択が重要です。ユニバーサルデザインフード(UDF)は、咀嚼や嚥下に不安のある方でも安全に食べられるよう、食品を硬さや形態ごとに区分した制度です。本記事では、ユニバーサルデザインフードの基本的な定義から区分の特徴、対象者に応じた選び方、介護や医療現場での活用ポイントまでを分かりやすく解説します。

ユニバーサルデザインフード(UDF)とは

食事介助

高齢者や介護が必要な方の食事では、「何を食べるか」だけでなく、「どのような形態で食べるか」が安全性と満足度を大きく左右します。咀嚼や嚥下機能の低下により、通常の食事では食べにくさや誤嚥のリスクが生じるケースも少なくありません。

こうした背景を踏まえ、食品の“食べやすさ”を共通の基準で示すために整備されたのが、ユニバーサルデザインフードです。日本介護食品協議会が定めるこの区分では、食品の硬さや形状に応じて分類が行われており、利用者の状態に合った食品選びを支援する役割を果たしています。まずは、UDFの定義と目的から整理していきましょう。

ユニバーサルデザインフード(UDF)の定義

ユニバーサルデザインフードとは、咀嚼・嚥下機能に応じて食品の硬さや形状を分類した介護食品の区分制度を指します。感覚的な「やわらかさ」ではなく、一定の基準に基づいて区分されているため、食形態の判断にばらつきが生じにくい点が特徴です。

日本介護食品協議会では、食べる力に配慮した食品を誰でも選びやすくすることを目的に、ユニバーサルデザインフードの区分と表示ルールを定めています。対象となる食品には、専用のロゴマークと区分を示すアイコンがパッケージに表示されています。そのため、商品名や見た目から食べやすさを推測する必要がなく、利用者の状態に応じた食品を客観的に選びやすくなっています。

制度の目的

ユニバーサルデザインフードの目的は、安全な食事の提供と安定した栄養摂取を支えることにあります。咀嚼や嚥下に配慮しない食事は、食べにくさや誤嚥のリスクにつながるおそれがあり、介護や医療の現場では大きな課題でした。

ユニバーサルデザインフードは、こうしたリスクを軽減しながら、利用者が食事を継続できる環境を整えるための仕組みです。併せて、食事介助を行う側にとっても、食品選択や提供方法の判断がしやすくなり、介護負担の軽減につながる点も制度の重要な目的といえます。

なお、ユニバーサルデザインフードは特定の人のみを対象にしたものではありません。加齢や体調不良、病後など、一時的に食べる力が低下した場合にも活用できる選択肢として、日常の食事支援の中で位置付けられています。

<参照>
日本介護食品協議会「ユニバーサルデザインフードとは
厚生労働省「「ユニバーサルデザインフード」の上手な選び方

ユニバーサルデザインフード(UDF)の区分と特徴

ユニバーサルデザインフード

ユニバーサルデザインフードは、食べる力に配慮した食品を選びやすくするため、かむ力・飲み込む力の目安に基づいて以下の4つの区分に整理されています。

区分1:容易にかめる

「容易にかめる」は、歯でかむ力が十分にある方を想定した区分です。一般的な食事に近い食感を保ちながら、やわらかめに調整されています。通常の食事と大きく見た目が変わらない点も特徴で、「少し食べにくさを感じ始めた段階」で取り入れやすい区分といえるでしょう。

区分2:歯ぐきでつぶせる

「歯ぐきでつぶせる」は、歯が弱くなっている方や、咀嚼力がやや低下している方を想定しています。歯を使わなくても歯ぐきでつぶせる程度のやわらかさに調整されており、無理なく食べ進められるよう配慮されている区分です。食材の形状やサイズも工夫されているため、口の中でまとまりやすい点が特徴です。

区分3:舌でつぶせる

「舌でつぶせる」は、舌の動きだけで形を崩せるやわらかさを基準とした区分です。歯がない方や、かむ動作がほとんどできない場合でも、舌で押しつぶしながら食べられるよう設計されています。水分量やなめらかさにも配慮されており、口の中での操作がしやすい点が、この区分の大きな特徴です。

区分4:かまなくてよい

「かまなくてよい」は、かむことが難しく、飲み込みへの配慮が特に必要な場面を想定した区分です。なめらかな形状で、かまずにそのまま飲み込めるよう設計されています。

医療現場や介護現場で利用されるケースも多く、状態に応じてとろみ調整などと組み合わせながら使われることがあります。

ユニバーサルデザインフードを探す

食形態における判断と提供の実務ポイント

食事介助

ユニバーサルデザインフードを選ぶ際に重要なのは、年齢や疾患名ではなく、その時点での食べる力の状態を把握することです。咀嚼や嚥下の状態は個人差が大きく、年齢や診断名が同じであっても適切な食形態は異なります。

対象者の状態に応じた選択

ユニバーサルデザインフードを選ぶ際は、対象者の咀嚼力や嚥下機能、歯の有無、嚥下障害の有無を確認しましょう。どの程度かめているか、飲み込みに支障がないか、歯を使って食べられているかといった点を把握した上で、必要な区分を選ぶことが基本です。

併せて、栄養状態や食欲も判断材料として考慮する必要があります。食事量が安定しているか、食事に時間がかかりすぎていないか、食べにくさから特定の食品を避けていないかといった点は、現在の食形態が適しているかを見極める手がかりになります。これらを踏まえ、無理なく継続できる区分を検討することが重要です。

提供時に配慮したいポイント

該当する食形態で食事を提供する際は、実際の食事場面を想定した配慮が欠かせません。まず、食材の大きさや硬さが、対象者にとって無理のない状態になっているかを確認します。かみ切りにくい大きさや硬さが残っていると、食事中の負担につながるため、提供前の最終確認が重要です。

また、とろみの有無や程度にも注意しましょう。飲み物や汁物は流動性が高く、対象者の状態によっては口腔内でコントロールしにくい場合があるため、必要に応じてとろみを付けて提供します。とろみの付き方は食品によって異なるため、提供時に状態を確認しながら対応することが大切です。

さらに、食事介助の場面では、安定した姿勢を保てる環境づくりや、対象者のペースに合わせた進行を心がけましょう。一口量や食事の進め方に配慮し、安全に食事を続けられるよう支援することが、提供時のポイントです。

介護現場・在宅での活用例

ユニバーサルデザインフードの調理

ユニバーサルデザインフードは、介護施設や在宅介護など、利用される場面によって使い方や工夫のポイントが異なります。ここでは、介護施設と在宅介護のそれぞれの場面に分けて、具体的な活用例を紹介します。

介護施設での導入

介護施設では、多人数に対して安定した品質の食事を安全に提供する必要があるため、調理済みのユニバーサルデザインフードや既成の献立が活用されるケースが多く見られます。あらかじめ硬さや形状に配慮された食材の使用によって、調理工程を簡略化できるだけでなく、食形態のばらつきを抑えた提供につながることが期待できるでしょう。

また、献立例をもとにユニバーサルデザインフードを組み合わせることで、現場のスタッフが個々の判断に迷いにくくなり、一定の基準に基づいた食事提供体制を整えやすくなります。これは、調理担当者や介護スタッフが入れ替わる場面においても、食事の安全性を維持する上で役立つでしょう。

さらに、調理済み食材や業務用ユニバーサルデザインフードの導入によって、盛り付けや最終調整に注力できます。その結果、提供直前の確認や配膳時の配慮に時間を割けるようになり、スタッフが安全に食事を提供できる体制づくりにつながることが期待できます。

在宅介護での工夫

在宅介護では、専用の調理設備や人員が限られるため、無理なく続けられる工夫が重要です。

例えば、食材をやわらかく煮る、加熱時間を長めに取るといった工夫により、かみやすさに配慮した食事を用意しやすくなるでしょう。また、同じ食材でも切り方や大きさを変えることで、食べやすさが大きく変わるため、形状の工夫も欠かせません。

食具の選定も在宅介護ならではの重要なポイントです。スプーンやフォークの形状、持ち手の太さや重さによって、食事のしやすさや介助の負担は異なります。対象者の握力や動作に合わせたカトラリーを選ぶことで、食事の時間をより安全で快適なものにできます。

このように在宅介護では、ユニバーサルデザインフードそのものだけでなく、調理方法や食具の工夫を組み合わせることで、日々の食事を無理なく支えることが可能になります。

便利な介護食品や調理補助用品

ユニバーサルデザインフードを無理なく取り入れるためには、市販の介護食品や調理補助用品を活用するという選択肢も有効です。これらを上手に組み合わせることで、調理や提供にかかる負担を軽減しつつ、食事の安全性や継続性を高められます。

介護食品には、やわらか食やミキサー食、流動食など、食べやすさに配慮したカテゴリが用意されています。すでに硬さや形状が調整されているため、家庭で一から調理する必要がなく、日々の食事づくりを支える手段として活用しやすいでしょう。また、飲み物や汁物には、とろみ剤や固形化補助食品を使うことで、提供時の状態を整えやすくなります。

さらに、調理や食事を補助する用品も重要な役割を果たします。介護用の食器は、重さや安定性に配慮した形状のものが多く、食事中のこぼれを防ぎ、食べやすくなる工夫がされています。スプーンやフォーク、箸などのカトラリーも、持ちやすく口に運びやすい形状の製品を選ぶことで、食事動作をサポートしやすくなるでしょう。

このように、ユニバーサルデザインフードに加えて介護食品や調理補助用品を取り入れることで、施設・在宅を問わず、実際に導入しやすい食事環境を整えやすくなります。

<参考>
介護食とは?種類・区分別の選び方解説
介護用食器とカトラリーの選び方!施設・在宅介護のおすすめアイテム
介護用食事エプロンの選び方と介護度に応じたおすすめタイプ

ユニバーサルデザインフードについてよくある質問

食事介助

ここでは、ユニバーサルデザインフードによく寄せられる質問と回答をまとめました。

Q1. ユニバーサルデザインフード(UDF)と嚥下食の違いは何ですか

ユニバーサルデザインフードは、かむ力や飲み込む力に配慮して食品の硬さや形状が調整され、4つの区分に整理された食品です。一方、嚥下食(嚥下調整食)は、嚥下障害のある方を対象に、誤嚥リスクの低減を最優先して形状やとろみが調整された食事です。

Q2. ユニバーサルデザインフード(UDF)の区分は、専門職でなくても正しく選べますか

ユニバーサルデザインフードの区分は、かむ力・飲み込む力を目安にしているため、基本的には一般の方でも選択可能です。ただし、ムセや食べ残しが増えるなど嚥下障害が疑われる場合は、自己判断を避け、医師・言語聴覚士(ST)・管理栄養士などの専門職に相談することが推奨されます。

まとめ

ユニバーサルデザインフードは、かむ力や飲み込む力に配慮して設計された食品であり、状態に応じた食事を取り入れやすくするための基準や区分が設けられています。単なる「食べやすい食品」ではなく、日々の食事を安全かつ継続的に支える選択肢の一つであり、介護施設や在宅介護の現場でも活用しやすい点が特徴といえるでしょう。

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