更新日:2026年5月7日
飲食店・施設向けネズミ対策ガイド|効果的な駆除・予防方法を解説

飲食店や施設においてネズミ対策は、お客様の健康と店舗の信頼を守るために欠かせない取り組みです。ネズミの発生は、食中毒や店舗の火災リスクを高めるだけでなく、SNSによる風評被害により、経営に大きな打撃を与える可能性もあります。
本記事では、ネズミの習性を踏まえた効果的な駆除手法から、侵入口の特定・封鎖といった根本的な予防策まで、実務に役立つポイントを解説します。
飲食店や施設でのネズミ被害とリスク

身体が小さく、わずかな隙間でも入り込むことができるネズミは、排気口や排水管などを通じて、飲食店や施設のさまざまな場所に出現します。
ネズミは繁殖力が高く、ネズミを1匹見たら、すでに複数匹が生息している可能性があります。飲食店や施設で見られるネズミの被害やリスクについて見ていきましょう。
食材の破棄・食中毒のリスク
飲食店では食材の衛生管理が重要です。ネズミにかじられた食材は廃棄が必要となり、糞尿や体毛による汚染があれば食中毒のリスクも高まります。
ネズミはサルモネラ菌などの病原菌を媒介することもあり、顧客や従業員の健康被害につながる恐れがあります。食中毒が発生すると、営業停止処分を受けることにもなりかねません。
備品や店舗への影響
ネズミの被害は食材だけにとどまりません。電気配線やガス管などをかじられ、停電や火災につながる恐れもあります。
また、什器や家具、壁・天井の破損は店舗の印象を損ない、修繕費用の発生にもつながります。厨房機器や空調設備に侵入されると、故障や機能低下を招くおそれもあります。
顧客の信用失墜と風評被害
客席エリアでネズミが目撃されると、顧客離れが一気に進み、売上が大きく落ち込む恐れがあります。その情報がSNSやレビューサイトで拡散されれば、店舗のイメージが著しく低下するでしょう。
一度失った信用を回復するには、長い時間と多大なコストが必要です。信用を守るためにも、日頃からの対策が重要です。
業務現場に出るネズミの種類と特徴

飲食店や施設で見られるネズミは主にドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミの3種類です。種類別の特徴は次の通りです。
| ネズミの種類 | 特徴 |
|---|---|
| ドブネズミ |
|
| クマネズミ |
|
| ハツカネズミ |
|
クマネズミは高所を好み、天井裏や配管上を移動するのが特徴です。ハツカネズミは小型で、わずかな隙間からでも侵入します。効果的な駆除や侵入防止を行うためにも、まずは種類ごとの特徴を理解しておきましょう。
店舗や施設でできるネズミ駆除方法

店舗や施設では、次の方法でネズミを駆除できます。
- 毒エサ(殺鼠剤)
- 粘着シート
- 捕獲器(カゴ式・バネ式)
- 忌避剤
それぞれの方法の特徴について見ていきましょう。また、効果的に駆除するための併用方法についても解説します。
毒エサ(殺鼠剤)による駆除
毒エサ(殺鼠剤)は比較的設置しやすく、直接死骸を目にする機会が少ない点がメリットです。しかし多くは遅効性のため、効果が出るまで3~7日ほどかかります。またワルファリン系殺鼠剤は一定期間、継続して食べさせる必要があり、長期にわたって根気強く設置しなくてはいけません。
一方、ジフェチアロール系殺鼠剤は少量の摂食でも効果が出やすく、ワルファリン系に耐性を持つ個体にも有効とされています。設置する際は台所や厨房などネズミの活動エリアに複数の殺鼠剤を置き、食べた跡を確認しながら継続的に補充します。
粘着シートによる捕獲
粘着シートはネズミの通り道に設置することで、高い捕獲効果を期待できます。特に壁際や物陰などのネズミが移動しやすい場所に複数枚並べて設置すると効果的です。
一方で捕獲後はネズミを回収・処理する必要があります。即効性があり捕まえやすい点はメリットですが、処理方法や衛生管理について検討してから導入しましょう。
捕獲器(カゴ式・バネ式)の使用方法
ネズミの捕獲器は、大きく分けてカゴ式とバネ式があります。カゴ式は生け捕り、バネ式は即座に圧殺する仕組みです。いずれも捕獲後の対応について検討してから導入しましょう。
餌には、さつまいもやさつま揚げなどの新鮮な食材を使用すると、短時間で捕獲しやすくなります。ネズミの通り道や餌場となる壁際に捕獲器を設置し、1週間程度は動かさずに様子を見ましょう。
忌避剤で追い出す方法
忌避剤は、ネズミが嫌う天然ハーブや薬剤のにおいを利用して侵入を防いだり別の場所へ追い出したりする方法です。スプレーやゲル、燻煙タイプがあり、設置場所や目的に応じて使い分けることが大切です。
ネズミの死骸を処理する必要がないため、予防対策として取り入れやすいのも特徴です。しかし忌避効果の持続期間は短く、においに慣れた個体には効かない場合もある点に注意が必要です。
駆除グッズの効果的な併用方法
ネズミ対策は、複数の方法を組み合わせることで効果が高まります。例えば毒エサと粘着シートを併用すると、弱った状態のネズミを捕獲しやすくなります。
また、忌避剤で特定エリアから追い出し、誘導先に粘着シートを設置する方法もあります。警戒心の強いネズミに対応するには、状況に応じて手法を組み合わせ、継続的に対策を行いましょう。
ネズミの侵入経路を特定して封鎖する

店舗や施設をネズミのいない空間にするためにも、侵入経路を特定し、封鎖することが必要です。主な侵入口やネズミの通り道、具体的な封鎖方法を紹介します。
飲食店や施設で多い侵入口
飲食店や施設では、次のような場所が侵入口になることがあります。
- 排水口の目皿(穴やスリットの開いた金属や樹脂製のカバー)
- 搬入口のドアの隙間
- シャッターと床の隙間
- エアコンや換気扇の通気口
- 配管と壁の貫通部分の隙間
ネズミの種類によっては1〜2センチほどのわずかな隙間でも通り抜けることが可能です。空間内に隙間がないか徹底的にチェックしましょう。
ラットサイン(糞・足跡・かじり跡)の見つけ方
ネズミの痕跡は、壁際や配管の周辺に現れやすい傾向があります。黒くこすれたような汚れや筋状の跡があれば、ネズミの通り道と考えられます。
米粒大の黒い糞が落ちている場所は、ネズミの活動エリアです。また、食品のパッケージや段ボールにかじり跡が残っている場合も、ネズミが出入りしていると判断できます。こうしたラットサインを早めに発見することが、被害拡大の防止につながります。
侵入口の封鎖方法と必要な資材
ネズミの侵入口を見つけたら、金属タワシや金網、パンチングメタルなど、かじられにくい硬い素材で塞ぎましょう。さらに封鎖した場所の隙間をセメントパテやモルタルを使用して完全に埋めることも大切なポイントです。
通気口や排水口などの完全に塞いではいけない場所には、目の細かい金網を取り付けます。ワイヤーを格子状に組み合わせたシンプルな金網ではかじられる可能性があるため、交差部分をねじった「亀甲金網」がおすすめです。
ネズミを寄せ付けない予防策

ネズミを飲食店や施設に寄せ付けないことも大切なポイントです。次の予防策を実施してみましょう。
- 日常的な清掃と片付け
- 食品の適切な保管方法
- ゴミの管理と処理
- 定期的な点検とメンテナンス
それぞれの予防策について詳しく解説します。
日常的な清掃と片付け
営業終了後は厨房や客席を清掃し、食べカスや油汚れを残さないようにしましょう。
また、バックヤードや倉庫は整理整頓し、段ボールや不要物を放置しないことも大切です。床下や天井裏も定期的に点検し、ネズミが活動しにくい環境をつくりましょう。
食品の適切な保管方法
食材は密閉容器や冷蔵庫に保管し、ビニール袋や段ボール箱のまま置かないようにしましょう。調味料や乾物は蓋付き容器に移し替え、ネズミが接触できないようにします。
また、開封後の食品は当日中に使い切るか、密閉保管が原則です。倉庫にある食材は床ではなく棚に収納し、ネズミの通り道を作らないようにしましょう。
ゴミの管理と処理
生ゴミは蓋付きのゴミ箱に入れ、営業終了後は速やかに店外へ搬出しましょう。また、ゴミ保管場所は定期的に清掃し、悪臭や汚れを放置しないことが大切です。整理整頓を徹底することで、ネズミが隠れる場所をなくしていきましょう。
定期的な点検とメンテナンス
月に1回は侵入口の封鎖状況を確認し、破損箇所があればその場で補修しましょう。糞やかじり跡など、ラットサインの有無をチェックし、ネズミの侵入を早期発見できるようにしておきます。また、衛生チェックリストは従業員全員で共有し、予防意識を高めましょう。
ネズミ対策のよくある質問

衛生的な環境を維持するためには、日常的なネズミ対策が不可欠です。ネズミ対策を実施する際のよくある質問とその答えをまとめました。
ネズミ対策を業者に依頼すべきタイミングは?
次のタイミングでネズミ対策を専門業者に依頼しましょう。
- 1〜2カ月駆除を続けても被害が収まらない
- 保健所の立入検査が近く、短期間で確実に駆除する必要がある
- 天井裏や壁の中などの自分では手が届かない場所にネズミの巣がある
- ネズミが大量発生していて自力で対処できない
信頼できる業者を選び、駆除の方法や費用、アフターフォローまで確認することが、効果的な対策につながります。
業者に依頼した場合、飲食店でのネズミ駆除費用はいくら?
店舗の広さや駆除の方法などによっても異なりますが、1回10万〜50万円が目安となります。駆除中に多数のネズミが見つかった場合は、さらに高額になることもあります。見積もりを比較し、サービス内容や保証の有無も確認しましょう。
ネズミの習性と行動パターンは?
ネズミは基本的には夜行性で、夜間や早朝に活発に行動して餌を探します。また、壁際や物陰に沿って移動し、通り道はほぼ一定のルートを使う習性があります。
警戒心が非常に強く、新しいものや変化した環境には近づかない傾向があるのも特徴です。繁殖力が高く、通常は生後3カ月で出産可能な状態になり、年6〜7回程度出産し、1回あたり約6〜8匹産むといわれています。
まとめ
ネズミ対策は毎日の清掃・整理・管理が基本となります。ネズミが侵入しにくい環境を構築し、飲食店・施設を衛生的に保ちましょう。
また、ネズミ忌避剤や殺鼠剤の活用も有効です。上手に組み合わせることで、効果的にネズミ対策を進めていきましょう。
<参考>
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