更新日:2026年1月28日
ニッパチとは?飲食店・サービス業の閑散期とその対策を解説

「ニッパチの法則」とは、2月と8月に売上が落ち込みやすいとされる現象のことです。多くの企業や店舗が抱える課題であり、飲食店だけでなく、小売業やサービス業など幅広い業界で語られています。
なぜ“ニッパチ”に売上が下がるのか、原因を理解し対策をすることが、安定した経営の鍵になるでしょう。本記事では、ニッパチの法則が起こる理由、閑散期を乗り切る方法・アイデアまで詳しく解説します。
ニッパチとは

ニッパチの法則とは、2月と8月に売上が落ち込みやすいとされる現象のことです。
経済産業省が小売業を対象に実施した調査によると、2月は日数が少ないこともあり、売上が落ちる傾向が見られています。
一方8月は、販売する商品や業種によって売上の傾向が異なります。飲食料品小売業では、必ずしも8月の売上が落ち込むわけではありませんが、衣料品など身の回り品小売業においては、8月から9月にかけて売上の減少が見られます。これは、初夏と冬のセールの谷間にあたる時期であることが主な要因となっていることが考えられます。
また、飲食業やサービス業においてもニッパチの影響を受けるケースがあります。2月は寒さや正月後の消費落ち込みにより来店客数が減少しやすく、8月は猛暑や帰省、旅行など生活リズムの変化によって、立地や業態によっては売上が伸び悩むケースが見られます。ただし、観光地や夏向け商品を扱う店舗では、8月に売上が増加する場合もあり、必ずしも当てはまるわけではありません。
このように、ニッパチの法則は小売業だけでなく、飲食業を含む消費行動の季節変動を受けやすい業種全般に見られる傾向といえます。安定した店舗運営を目指すためには、ニッパチの時期を理解したうえで、事前に適切な対策を講じることが大切です。
<参照>
経済産業省「「二八(にっぱち)」って聞いたことありますか?」
なぜ2月と8月は売上が落ちるのか

ニッパチへの対策を考えるのであれば、まずは2月と8月に売上が落ちる要因を把握しておくことが重要です。
ニッパチが生じる主な要因には、以下の3つがあります。
- 季節・気候による影響
- イベントや消費行動の変化
- 業種ごとの影響の違い
それぞれを詳しく見ていきましょう。
季節・気候による影響
ニッパチが生じる原因の一つが、季節や気候の影響です。
2月は、1年のうちでも寒さが厳しい季節です。寒さによる外出控えが発生し、客足が鈍くなるといわれます。加えて、年末年始で出費が嵩んだ直後のため、買い物や外食を控える方が多くなると考えられるでしょう。
8月は、暑さのため外出を控える方が増えます。また、夏バテなどで食欲が落ちる方がいることも、飲食店の売上の減少につながります。お盆は一時的に売上の回復が見られますが、その他の期間は、客足が鈍くなる日が多いでしょう。
イベントや消費行動の変化
イベントや消費行動の変化も、ニッパチを生じる要因です。
一般的に、出費が嵩む大型イベントの後は、売上が下がるといわれます。2月はクリスマスや年末年始のイベントが終了した直後のため、購入意欲が下がり、売上が落ちると考えられます。
また、8月と2月はボーナス月の消費が一巡するタイミングであることもポイントです。多くの企業は、6月および12月をボーナス月に設定しています。ボーナスから2カ月が経過し、消費行動が落ち着きを見せる8月と2月は、消費者の財布の紐が固くなり、売上が落ちる傾向です。
業種ごとの要因
ニッパチの法則が生じる要因は、業種によっても異なります。
例えば飲食店であれば、出店地域によっても差があります。観光地や繁華街は、夏休みや忘年会シーズンなど、繁忙期が明確です。一方で、ビジネス街の飲食店であれば、働く人の数が減るお盆や年末年始の期間は、集客が難しくなるでしょう。
美容業界では、卒業式や入学式、年末年始、夏休みなど、大型イベントの前が繁忙期となります。イベントが一段落したタイミングは、客足が落ち着き、売上も下がる傾向があります。
小売業やサービス業、飲食業をスタートする際は、その業種特有の事情も考慮し、繁忙期と閑散期を見据えて計画を立てることが肝心です。
飲食店の閑散期(ニッパチ)を乗り切るためのアイデア

ここでは、閑散期を乗り切る以下のアイデアを4つ紹介します。
- 特別なキャンペーンの実施
- 新メニューやサービスの導入
- 顧客とのコミュニケーションの強化
- 地域との連携
それぞれを確認し、店舗経営に活かしましょう。
特別なキャンペーンの実施
来店数を維持したいのであれば、特別なキャンペーンの実施が効果的です。
キャンペーンの一例には、季節やイベントに連動したものがあります。2月であれば節分やバレンタインデー、8月はお盆や夏休みフェアなどを検討しましょう。
また、客数の減少によりスタッフの配置に余裕が生まれたときは、貸し切りプランなど、繁忙期にはできないサービスを提供するチャンスです。普段提供できないサービスを提供することで、売上維持と新規顧客の開拓を目指しましょう。
新メニューやサービスの導入
新メニューやサービスの導入は、閑散期に試したいアイデアの一つです。一例を以下で確認しましょう。
- 期間限定メニューの考案
- セットメニューやランチ特化プランの考案
- テイクアウト・デリバリーなど販路拡大の検討
新メニューや新プランをスタートしたり、販路を拡大したりするには、市場調査や利益率の計算、コストの確認など、さまざまな準備が必要です。サービスを拡大したいと考えているのであれば、業務に比較的余裕がある閑散期に、準備を進めることが重要です。
顧客とのコミュニケーションの強化
閑散期は、顧客とのコミュニケーションの強化を目指せるチャンスでもあります。施策の一例は、以下の通りです。
- DMやメールマガジンの活用
- SNS
- スタンプカードやポイント制度
DMやSNSなどを活用し、既存顧客向けのクーポンなどを配布すれば、リピーターにつながる可能性があります。閑散期の時間を利用し、既存顧客のフォローアップに取り組みましょう。
地域との連携
閑散期は、地域との連携を強化できるタイミングでもあります。一例を以下で確認しましょう。
- 地元イベントやフェア(商店街のイベントや地域フェスなど)への参加
- 地域企業や施設とのコラボレーション
- 地元メディアや情報誌への掲載
地域とのつながりを強めることで認知度が高まり、集客効果が期待できます。
飲食店が閑散期(ニッパチ)の間にやっておくべきこと

ここでは、飲食店が閑散期にやっておくべきことを、4つ紹介します。
閑散期は客足が落ち込み、売上の低下が懸念される一方で、店舗運営の質を高める絶好のチャンスでもあります。
キャンペーンによる集客維持に加え、内部体制やサービス、マーケティングを整えることで、閑散期後の売上回復を目指しましょう。
メニューの見直し
閑散期は厨房スタッフにも、余裕が生まれます。そのため、メニューの見直しを実施しましょう。
まずは、現在のメニューにおける、人気メニューと不人気メニューの分析を実施します。その上で、集客を目指す施策として、季節限定メニューの検討をしてもよいでしょう。
メニュー作成から時間が経過している場合は、原価や利益率を再度確認し、最適化することも重要です。
スタッフの研修・教育
閑散期を活用し、スタッフの研修と教育を実施することも、安定した店舗経営のためにも非常に大切です。
スタッフの対応が悪い場合、いくら提供している料理が美味しくても、リピーターが増えないおそれがあります。顧客満足度の高い店づくりのためには、スタッフ研修により以下の向上を目指しましょう。
- 接客スキル
- メニュー知識
- スタッフのモチベーション
スタッフの接客スキルやメニューに関する知識を高めることで、安心して快適に食事ができる店舗を実現できます。また、スタッフのモチベーションが向上すれば、より活気のある店づくりにつながるでしょう。
スタッフ研修を実施するにあたっては、事前準備としてマニュアルの整備や見直しなどの準備をすることが大切です。
マーケティング戦略の見直し
閑散期には、以下のマーケティング戦略の見直しも行いましょう。
- SNS発信内容の確認(キャンペーン告知やコンテンツの効果測定)
- 広告や販促計画の最適化(無駄な広告を減らすなど)
SNSをマーケティングに活用している場合は、発信内容の確認をします。コンテンツの効果を測定し、より効果的なキャンペーンの実施を目指しましょう。
広告や販促を行っているのであれば、費用対効果を計測し不要な広告を見直すことで、経営にかかるコストを削減できます。
店舗の衛生管理の徹底
店舗の衛生管理の徹底も、閑散期に実施すべきポイントです。衛生管理を徹底するには、以下を実施しましょう。
- 厨房・客席・トイレの徹底清掃
- 衛生管理マニュアルの確認と更新
- 設備点検や修理の実施
店舗の大掃除をすることはもちろん、清潔な状態を保てるよう、衛生管理マニュアルを確認し、必要に応じて更新する必要があります。また、店舗設備や備品を点検し修理することで、営業中の事故やトラブルを抑制できます。
衛生管理を徹底し、快適で安心できる店舗環境を整えることで、顧客満足度の向上とリピーターの獲得につなげましょう。
飲食店の開業・運営については以下の記事もぜひ参考にしてください。
<参考>
飲食店開業までの流れは?必要な準備や期間・届出を徹底解説
ラーメン屋を開業するには?必要な手続き・費用・備品をゼロから徹底解説
キッチンカーを開業するには?必要な手続きと揃えるべき備品を紹介
居酒屋を開業したい! そのための手続きと必要資金、用意すべき備品などを解説
飲食店の閑散期におけるよくあるQ&A

最後に、飲食店の閑散期についてよくあるQ&Aを紹介します。客足が鈍ったときに慌てずにすむよう、飲食店の開業を考えている方は、ぜひ覚えておきましょう。
飲食店でいうニッパチとは何ですか?
ニッパチとは、飲食店において閑散期といわれる、2月および8月のことです。飲食業のほか、小売業やサービス業でも、ニッパチは使われます。
飲食店が2月と8月に売れない理由は?
飲食店の売上が2月と8月に下がる主な要因は、大型イベントや気候の影響です。
2月は、年末年始に出費が嵩んだことを受けて外食を控える人もいます。併せて、寒さによる外出機会の減少も、客足の鈍化と売上の減少を招くでしょう。
8月は、お盆休みや夏季休暇により、ビジネス需要が落ち込みやすい時期です。お盆での帰省や旅行の出費のため出費が嵩み、お盆以外の時期は出費を抑える傾向があります。加えて、猛暑による外出控えも、売上の減少につながります。
飲食店が赤字になるのは何カ月目ですか?
飲食店は開業から2〜6カ月ほどは赤字になりやすい傾向がみられます。開業直後は、客足が安定しないことや、店舗運営に慣れておらず食品ロスや人件費が嵩みやすいことが、赤字になりやすい理由です。
なお、オープン直後はオープン景気などの影響もあり、まとまった売上をあげられるケースがあります。しかし、開業から1カ月程度経過すると、客足が落ち着き売上は減少する可能性があることを覚えておきましょう。
まとめ
ニッパチの法則とは、飲食店や小売店などにおいて、2月と8月の売上が落ち込む現象のことです。
ニッパチの法則が生じる要因には、大型イベントや気候の影響が考えられます。どのようなイベントが影響するかは、業種によっても異なるため、開業前にしっかりと考えることが肝心です。
閑散期は売上が下がる一方で、繁忙期にできない業務に取り組めるメリットもあります。メニューの見直しや店舗衛生の徹底、スタッフの研修などを実施し、閑散期明けに売上を伸ばせる魅力的な店づくりを目指しましょう。












