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防塵マスクの選び方|作業者の健康を守る着用方法と使用上のポイント
防塵マスクとは、建築や工事現場などにおける作業の際に使われる、機能性・性能性の高いマスクです。花粉の時期や風邪予防などで使用される一般的なマスクとは異なり、作業現場で発生する粒子状物質(粉じん・ミストなど)を吸入する恐れがあるときに使用する呼吸用保護具で、国家検定に合格したものを使用することが不可欠です。では実際に防塵マスクを選ぶ際や、作業時に正しく使うには、どのような点に気をつければ良いのでしょうか? そんな、防塵マスクのポイントについてご紹介します!
防塵マスクとは?
防塵マスクの基礎知識
防塵マスクとはその名前の通り、“塵(ほこりなどのチリ)”を“防”ぐための“マスク”です。建築や工事といった作業を行う場所で、粒子状の物質(粉塵やオイルミストなど)の吸引を防ぐために装着します。
粉塵を吸い込んでしまうと、じん肺などの病気になるおそれがあるので、作業時には必ず揃えておくべきアイテムです。アーク溶接など、粉塵マスクの着用が義務付けられている作業もあります。
厚生労働省が『防じんマスクの規格』を定め、その規格に基づいて国家検定が行われ、合格したものだけが検定合格標章を付けることができます。
国家検定の区分については種類や性能によって決定され、例えば「DL3」など英語と数字で表記され、その区分表記から防塵マスクの性能を読み取ることができます。
防塵マスクの種類は、大きく2つがあります。フィルター(ろ過材)を交換できる「取り換え式(D)」と、捕集対象によって個体粒子用(S)と個体・液体粒子用(L)の2種がある「使い捨て式(R)」です。
また、防塵マスクの区分については、粒子の捕集効率によって3つに分けられます。
| 使い捨て式/取替式 | 試験粒子と捕集効率 | 区分 | |
| S | L | 1、2、3 | |
| 試験粒子が塩化ナトリウム(NaCl)の場合 固体 | 試験粒子がフタル酸ジオクチル(DOP)の場合 液体 | 粒子捕集効率 | |
| D 使い捨て式防じんマスク | DS3 | DL3 | 区分3:99.9%以上 |
| DS2 | DL2 | 区分2:95.0%以上 | |
| DS1 | DL1 | 区分1:80.0%以上 | |
| R 取替式防じんマスク | RS3 | RL3 | 区分3:99.9%以上 |
| RS2 | RL2 | 区分2:95.0%以上 | |
| RS1 | RL1 | 区分1:80.0%以上 | |
そのほかにも、顔全体を覆う全面形や、鼻と口を覆う半面形、さらには電動ファンが付いたタイプなどもあります。
防塵マスクと防毒マスク、サージカルマスクとの違い
まずは「防毒マスク」の特徴ついて見てみましょう。「防毒マスク」は、気体の有害物質を吸い込まないようにすることを目的に装着します。防塵マスクと同様に厚生労働省が規格を定め、防塵と防毒の両方の機能を持つマスクもあります。
つづいて「サージカルマスク」。こちらは外科用のマスクを意味し、患者の手術部位などに、医師の唾液や雑菌などが付着しないようにするものです。
防塵マスクの選び方
メーカーで選ぶ
防塵マスクの着け方と使用上のポイント
防塵マスクの正しい装着方法
非常に細かな塵の侵入を防ぐために、マスクの装着は正しく行われなくてはなりません。正しく装着するためのポイントをご紹介します。
STEP1
締め紐を後頭部に掛ける
STEP2
顔に防塵マスクを取り付け、締め紐の両側を左右均等に引っ張る
→あごを包み込むように付けるとずれにくくなります
→緩い場合は、締め紐やバックル(留め具)で調節します
STEP3
正しく装着できているかフィットチェック
フィットチェックの方法としては、“フィットチェッカーを使用”もしくは“手のひらを使って確認”します。
手のひらで確認を行う際には、マスクの吸気口を手のひらで塞ぐ、または、ゆっくり息を吸ったときに、マスクが顔に吸い付く感覚があるか確認するようにします。吸い付けば正しく装着できている証しとなります。
商品によって装着方法が変わる場合があるので、必ず事前に説明書で確認するようにしてください。
使用上のポイント
マスクを使用する際には、いくつかの注意点があります。まずは、必ず作業内容に合った防塵マスクを着用することです。マスクの機能や性能は用途によって異なるので、目的に合わせたマスクを使用するようにしてください。
次に、取り換え式のマスクを使用する際は、フィルターを定期的に交換する必要があります。交換時期を記録しておくと、次の交換のタイミングが分かって便利です。また交換時期は作業内容や場所によって変わるため、説明書をチェックしてください。マスク本体の使用期限がある場合もあるので、必ず事前に確認しましょう。
そして最後に保管です。保管するときは、乾燥していてなるべくホコリが発生しない場所に置きます。高温多湿の場所も避けるようにしましょう。
防塵マスクは命を守るもの。用途に合わせて正しい装着を!
防塵マスクが有する機能や性能は多種多様です。作業内容やシーンにフィットした防塵マスクを必ず選ぶことが大切です。そして、正しく装着することも重要です。正しく選んでもきちんとした装着ができていないと、粉塵が入り込みマスクを装着する意味がなくなってしまいます。
そしてもう一つ忘れてはならないのが、正しい保管です。防塵マスクを使う際に傷んでいたり、交換のタイミングや使用期限が過ぎていたりしたら意味がありません。
防塵マスクは作業をする人の命を守る、重要なアイテムです。正しく扱って、正しく使って、安全な作業を実現してください!



取り換え式
使い捨て式

